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                                                   礼拝説教要約(2014年3月2日)

「嵐の中の平安」    聖書・マルコ福音書4:35〜41

 イエス様のもとには、いつも群衆が押しかけていました。ですから、心身ともに休まる時がありませんでした。「向こう岸に渡ろう」と弟子たちに言われた向こう岸とは、5章にあるとおり、異邦人のゲラサ人の地であります。汚れることを極端に嫌うユダヤ人達は、異邦人に会えば汚れると思っているのですから、そこまでは追いかけてこないのであります。だから静かに休み、祈る時を持てると思ったのでしょう。

 イエス様がどんなに疲れていたかは、直ぐにも眠り込んでしまったことで分かります。このようなところは、イエス様も私たちと同じ生身の、弱さを持ったお方であることが分かります。イエス様が乗ったのは手漕ぎの舟であり、揺れがひどくて、なれない人は直ぐにも船酔いしてしまいます。私は宮崎から大阪までフェリーに乗ったことがあります。大きな船ですからあまり揺れないはずですが、台風の影響で海が時化ていて、少しゆれたために、私は酔ってしまいました。

 ガリラヤ湖は海抜−200mなので、周囲の丘陵地帯まで急激にせり上がり、すり鉢状の湖です。だから、急激な突風が起こり易いのです。イエス様が乗った小船も、「激しい突風が起こり、舟は波をかぶって、水浸しになるほど」でした。多くの弟子たちはこのガリラヤ湖の漁師だった人たちです。このような状況には慣れているはずの弟子達が「先生、わたしたちがおぼれてもかまわないのですか」と怖がったほどの荒れ模様でした。しかしこのようなピンチの中で弟子たちは、嵐を静めたもうイエス様の権威を体験したのです。

 宇宙船地球号も今、嵐の中にあります。70年の平和を得ている私たちは、そんなに切羽詰った感覚はありません。しか地球規模で見ると、今一番はウクライナ問題でしょうか。ロシアがついに武力介入し、欧米はそれに強く反発しているとニュースされています。アフガン問題も解決していません。でもこれらは対岸の戦争とのんびりしてよいのでしょうか。そうではありません。同盟国の米国が戦争状態に入ったなら、日本もそれを助けて臨戦態勢に入るというのが、先ごろ国会で可決した集団的自衛権です。

 世界の経済はもはや、人間の思を超えて動き、コントロール不可能です。各国が、他国よりも1歩でも先に、有利にという競争をしています。色々な国際会議で、温暖化を止めよう、汚染対策を取ろうとしても、一致を見ることが出来ません。物質的豊かさを最優先する思いが、人の心を支配しています。だから戦争をしてでも、また、地球が汚染されてでも、他国に負けない豊かさを得ようとしています。サタンの思う壺です。地球規模で滅びへと向かっていることは、現代に入って誰の目にも明らかになっています。

 恐れの中で弟子達はイエス様に助けを求めました。すると「イエスは起き上がって、風を然り、湖に、『黙れ。静まれ』と言われた。すると、風はやみ、すっかり凪になった。イエスは言われた。『何故怖がるのか。まだ信じないのか。』」(:39〜40)と。 弟子たちは嵐のため船が沈むのではないかと恐れました。しかし、イエス様は、恐れの原因は「信じない」からであると言われました。彼らは確かに、イエス様を尊敬し、信頼して、すべてを捨てて従いました。しかし、未だ、イエス様が何者であるかを本当には知らなかったし、信じ切れていなかったのです。「いったい、このおかたはどなただろう。」と言っています。

 イエス様が何者であるかを、真に知り、信じる者は、すべての不安から解き放たれるのです。聖書はイエス様について「天に登ろうとも、あなたはそこにいまし、陰府に身を横たえようとも、見よ、あなたはそこにいます。曙の翼を駆って海のかなたに行き着こうとも、あなたはそこにもいまし、御手をもってわたしを導き、右の御手をもてわたしをとらえてくださる。」(詩編139:8〜10)と言っています。このように何時も、何処でも共に居てくださる方がイエス様です。イエス様が居る所、そこが陰府であろうと、海の中であろうと天国となります。弟子たちはイエス様と共に歩く(人生の旅をする)ことにより、信仰的に成長してゆきます。そしてイエス様が十字架にかかる前「あなたがたはわたしを何者だと言うか」と尋ねられた時、シモン・ペトロは弟子を代表して「あなたはメシア、生ける神の子です」(マタイ16:16)と答えました。それでも未だ、イエス様が十字架にかかり、復活するまで、本当の信仰をもてなかったといえましょう。しかし、復活の主に出会って、彼らは真の信仰をもち、人知でははかることのできない平安と喜びを持ったのです。私たちはイエス様の復活を信じています。信じるなら、あなたもこの真の平安を持てるのです。

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