礼拝説教要約(2015年11月1日)
「あなたの神は わたしの神」 聖書・ルツ記1:16~19
本日は召天者記念礼拝です。私が当教会に来てから、葬儀を行なった方が32名おります。それ以前にも先ほど名を読み上げましたとおり、教会の礎となった方々が多数おられます。それらの方も天に住まいを移して、主のお膝元で、主を褒め称えていることでしょう。天と地と場所の違いはあっても、主を礼拝していることは変わりがありません。遺影を見ながら、召された方々と一緒に、主を礼拝しているのだとお考えください。
私たちは、かつては「あなたがたは以前には、肉によれば異邦人であって、…またその当時は、キリストを知らず、イスラエルの国籍がなく、約束されたいろいろの契約に縁がなく、この世の中で希望もなく、神もない者であった。」(エペソ2:11~12口語訳)とパウロが言っているとおりの異邦人でした。今日の主人公ルツも又、私たちと同様異邦人でした。
先週まで、飢饉のためエジプトに行ったイスラエルの一族を通して学びました。それから彼らは400年を経、一民族となってエジプトを脱出し、約束の地へ来ました。更に、そこに王国を築くまでの間が士師記の時代であります。ルツ記はこの士師時代の終わり頃の出来事です。
イスラエルから飢饉の年にモアブに来たエリメレクとナオミ夫妻、その子マフロンとキルヨンという一家族がありました。しかしエリメレクが死んだこの避難生活は楽なものではありませんでした。でもモアブの娘ルツは、この家族のマフロンに嫁いできました。結婚する時すでに、義母ナオミ、夫マフロンと同じ神を信じてゆこうと決断をしていたことでしょう。そして結婚生活の中でルツは真の神を知り、義母を心から尊敬し、愛するようになっていたのです。それ故、キルヨンもマフロンも死に、姑のナオミが故郷へ帰ると言った時も、付いて行こうとの決心は強いものでした。「あなたを見捨て、あなたに背を向けて帰れなどと、そんなひどいことを強いないでください。わたしは、あなたの行かれる所に行き、お泊りになる所に泊まります。あなたの民はわたしの民、あなたの神はわたしの神。あなたの亡くなる所でわたしも死に、そこに葬られたいのです。」(1:16~17)とルツは言いました。
見知らぬイスラエルの地で、生涯、義母ナオミを世話しつつ真の神を信じてゆこうとの決意が表わされています。ルツは父母、兄弟、この世の良き物全てに換わる、更によきものを見出していたのです。
このようなルツに対し神様は、素晴らしい計画を持っていました。エリメレクの親戚ボアズとの出会いと結婚であります。
落穂拾いをしなければならないほど生活は貧しく、厳しいものでしたが、ルツは健気にナオミに尽くしました。このことは親戚のボアズも伝え聞いており「主人が亡くなった後も、しゅうとめに尽くしたこと、両親と生まれ故郷を捨てて、全く知らぬ国に来たことなど、何もかも伝え聞いていました。」(2:11)と言い、ルツに対し好意を示してくれたのです。ボアズは昼食を振舞ってくれただけでなく、刈り入れをする農夫の若者に「麦束の間でもあの娘には拾わせるがよい。止めてはならぬ。それだけでなく、刈り取った束から穂を抜いて落としておくのだ。あの娘がそれを拾うのをとめてはならぬ。」(2:15~16)と指示しました。これらのことが神の計らいであることを察したナオミは、ボアズがイスラエルの律法に従って、ルツを妻に迎えてし、エリメレクの家を再考することを確信しました。その通りに、ボアズは「わたしはマフロンの妻であったモアブの婦人ルツを引き取って妻とします。故人の名をその嗣業の土地に再興するため、また故人の名が一族や郷里の門から絶えてしまわないためです。」(4:10)と言ってルツを妻として迎えました。
そしてルツに子が生まれたのです。「その子をオベドと名付けた。オベドはエッサイの父、エッサイはダビデの父である。」(4:17)とあるように、ルツはボアズによってダビデ王の3代前の祖先となったのです。
異邦人の女性がその信仰のゆえに祝され、救い主イエス様の系図に入ったのです。「あなたの神はわたしの神」と私たちもルツと同じ告白をしたい。真の神を知り、信仰を告白するなら、時代を超え、場所を越えて神の家族となれます。私たちも異邦の地・日本で、この時代にあって、信仰のゆえに祝され、イエス様の兄弟姉妹と呼ばれる神の家族の一員なのです。
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