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礼拝説教要約(20151122日)

「人を惜しまれる神」   聖書・ヨナ書3110

 1113()130人もの死者が出た、パリ同時多発テロがありました。今日は10日目ですが、今も関連ニュースが度々流されています。(黙祷)

その中で、心に強く響いたニュースは、最愛の奥様をテロの犠牲で失ったジャーナリストのアントワーヌ・レリスさんの、フェイスブックに掲載した一文です。先ずその全文を見てみましょう。

 「金曜の夜、君たちは素晴らしい人の命を奪った。私の最愛の人であり、息子の母親だった。でも君たちを憎むつもりはない。君たちが誰かも知らないし、知りたくもない。君たちは死んだ魂だ。君たちは、神の名において無差別な殺戮(さつりく)をした。もし神が自らの姿に似せて我々人間をつくったのだとしたら、妻の体に撃ち込まれた銃弾の一つ一つは神の心の傷となっているだろう。 だから、決して君たちに憎しみという贈り物はあげない。君たちの望み通りに怒りで応じることは、君たちと同じ無知に屈することになる。君たちは、私が恐れ、隣人を疑いの目で見つめ、安全のために自由を犠牲にすることを望んだ。だが君たちの負けだ。(私という)プレーヤーはまだここにいる。

 今朝、ついに妻と再会した。何日も待ち続けた末に。彼女は金曜の夜に出かけた時のまま、そして私が恋に落ちた12年以上前と同じように美しかった。もちろん悲しみに打ちのめされている。君たちの小さな勝利を認めよう。でもそれはごくわずかな時間だけだ。妻はいつも私たちと共にあり、再び巡り合うだろう。君たちが決してたどり着けない自由な魂たちの天国で。 私と息子は2人になった。でも世界中の軍隊よりも強い。そして君たちのために割く時間はこれ以上ない。昼寝から目覚めたメルビルのところに行かなければいけない。彼は生後17カ月で、いつものようにおやつを食べ、私たちはいつものように遊ぶ。そして幼い彼の人生が幸せで自由であり続けることが君たちを辱めるだろう。彼の憎しみを勝ち取ることもないのだから。」

 レリスさんはテロを起こしたI Sを愛することはできないだろうが、「君たちを憎むことはしない」と結んでいる。また「決して君たちに憎しみという贈り物はあげない」と、憎しみの連鎖を断ち切っている。更に「妻はいつも私たちと共にあり、再び巡り合うだろう。君たちが決してたどり着けない自由な魂たちの天国で」と、主の御心に添って歩み、天国を目指している。

 これは丁度、試練に遭って主の御心のままに生きようと決心した、成長したヨナの姿と重なって見えた。そのようなヨナに再度「二ネベに行って、わたしがお前に語る言葉を告げよ」と主は言われた。

 ヨナが二ネベの人々に「あと40日すれば、二ネベの都は滅びる。」(:4)と、神の裁きを語ると、二ネベの人々はあっけなく悔い改め、神に赦しを願い祈った。王も即刻、悔い改め、神に赦しを願い、断食して祈ることを命じました。「神は彼らの業、彼らが悪の道を離れたことを御覧になり、思い直され、宣告した災いをくだすのをやめられた。」(:10)のです。ヨナはこれを見て「私も神様のお役に立てた」と喜んだかというと、そうではありません。「ヨナにとって、このことは大いに不満であり、彼は怒った。」(4:1)のです。

 ヨナは神の御心に添って生きようと決断し、一歩成長しました、しかし、主の愛には未だほど遠かったのです。それ故、神は、とうごまの木を用いて、ヨナを諭されました。

 異邦人をも愛し赦される神に怒ったヨナは、すねて、都を出て東の地に座り込みました。日射しは強く、ヨナが苦しんでいるのを見て、神はとうごまの木を生えさせ、木陰を造りました。ヨナの苛立ちは治まりました。しかし次の日、神がとうごまの木を枯らしてしまったので、ヨナは焼けつくような東風と日射しに苦しみ、死をさえ願いました。そのとき主なる神は「お前は自分で労することも育てることもなく、一夜にして生じ、一夜にして滅びたこのとうごまの木さえ惜しんでいる。それならば、どうしてわたしが、この大いなる都二ネベを惜しまずにいられるだろうか。」(4:1011)と諭されます。

 人は誰でも罪を犯します。最初の人アダムとエバがそうであったように。神は、人間にチャンスを与えましたが、人間の知恵が作り出す文明は、命を奪い合うものでした。神のさばきの前に滅ぶべき人間を救い、もう一度、神の御旨に添って生きる者になるようにと、アブラハムを選び出しました。でもその子孫・イスラエル民族は同じように、滅びの道を歩きます。これが人間の争いであり、ヨナが敵を愛せなかったように、私たちも同じくそうであります。しかし「神は、全ての人が救われて真理を知るようになることを望んでおられる」(Ⅰテモテ2:4)のです。神はだれ一人として無為に滅びることを願っていません。私たちの神は、人を惜しまれる愛の神なのです。

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