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     礼拝説教要約(2016124日)

「主の恵みの年を告げる」  聖書・ルカ福音書41430

 新しい年を迎えて、早1ヶ月が過ぎようとしています。今年は、恵み豊かな年となりそうですか? なかなか、そうではない、希望を持てそうもない年明けとなりました。一つは、気候の激しい変化です。今日も、ここ横浜は穏やかですが、日本海側や東北、北海道は大荒れの状況です。本来このように冬が暖かいこと自体、おかしいのです。温暖化や激しいエルニーニョ現象が起こっているのです。経済も大荒れです。ガソリンや灯油が安くなって嬉しいと言う人もいますが、経済通の人に言わせると、異常な株安で、不安一杯の状況なのだそうです。又、I Sやイスラム過激派によるテロも拡大、拡散しつつあり、不安材料が一杯あるようです。

 イエス様がメシヤとしての働きをスタートした時も、希望の持てない、不安一杯の時代でした。ローマの支配に対する不満、暴動もありました。又、マタイ福音書には「イエスは、ヨハネが捕らえられたと聞き、ガリラヤに退かれた。」(4:12)とその暗さを表現しています。神の国の到来を告げる神の人、その時代、最も義なる人が捕らえられ、殺されてゆく時代だったのです。

そのような時代に、使命に立たれたイエス様の働きは、「霊の力に満ちて」(:14)いました。ガリラヤ地方の村々町々での、イエス様の教えと業は、驚きと尊敬をもって受け入れられました。しかし、生まれ故郷のナザレでは反応が違いました。12歳の時の出来事でも分かるように、最初はイエス様をナザレでも好意をもって迎えました。イエス様は、小さい頃から、この村では自慢の神童だったのです。安息日には「おらが村から出た偉大なラビ様がお話をする」と人々は集まってきたのです。故郷に錦を飾るように、イエス様は人々に受け入れられたのです。

 当然その日の説教はイエス様でした。読むべく渡された聖書の巻物は、イザヤ書61章「主の霊がわたしの上におられる。貧しい人に福音を告げ知らせるために、主がわたしに油を注がれたからである。主がわたしを遣わされたのは、捕らわれている人に解放を、目の見えない人に視力の回復を告げ、圧迫されている人を自由にし、主の恵みの年を告げるためである。」(:1819)でした。これは、救い主到来の預言の言葉です。「捕らわれている人に解放」とは、サタンに捕らわれ、罪と死、裁きの中にある人の解放という福音、救いの預言です。これはサタンの支配が打ち破られたことの宣言です。アブラハムに約束された祝福の成就です。また、出エジプトの時、主が言われた「ヨベルの年(50年目の年を聖別し、全住民に解放の宣言をする)」(レビ記25:10)が実現したのです。何の功績もない者が恩赦により解放されるとの、主の恵みの宣言です。イエス様の説教は“この預言の成就の時を、信仰を持って待ち望みなさい”という勧めではなく、「この聖書の言葉は、今日、あなたが耳にしたとき、実現した」(:21)との宣言でした。

 自分の村から大預言者が出たと自慢気だった村人の思いが一変しました。なぜなら、イエス様が“自分は、預言者ではなく、ここに預言されている救い主だ”と宣言したのですから。彼らは「お前が神の子・救い主? ヨセフの子じゃないか。大げさなことを言いやがって。もし、救い主と言うのなら、今ここで、奇跡を起こしてみろ!」疑い一杯の心で叫びました。しかし、信じる心のない者の所では、奇跡は起こらないのです。又、救い主の働きは、選ばれた民であると誇っているイスラエルの民だけのものではありません。まして、ナザレというこの地方的なものではありません。彼らの考えは、自分たちの祝福という、偶像崇拝者と変わらないものでありました。聖書に記されている救いは、異邦人も含めた全人類の祝福であります。

 イエス様はこのような狭い救い主像を取り除くために、イスラエルの民なら誰もが尊敬している預言者エリヤとエリシャを例に語られました。エリヤの時代にあった大飢饉の時、エリヤはイスラエルの民ではなく、シドン地方のサレプタのやもめのもとに遣わされ奇跡を行ないました。それは彼女が、自己犠牲をもって信仰を表わしたからです。又、エリシャはシリア人ナアマン将軍の重い皮膚病を清くする奇跡を行いました。それはナアマンが、へりくだり謙遜をもって信仰を表わしたからでした。

 主は、誰でも信仰をもって聖書の言葉(イエスによる救い)を受け取るなら、その時がその人にとって「恵みの年」となることを示されました。だから、ナザレの人々が陥っていた偶像礼拝的、自分中心の祝福の求め方をしてはなりません。神の国の祝福を地の果て(自分の周り)に広げる役割を与えられていることを覚えましょう。これを果たす時、主も共に働いてくださるという、更に優った恵みを体験できるのです。

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