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     礼拝説教要約(2016131日)

「権威あることば」       聖書・ルカ福音書43141

 昨日、M姉の葬儀を致しました。体力的に弱っていることは分かっていましたが、早かったな!との思いはぬぐえません。しかし、お医者さんの死亡診断書は“老衰”となっていました。今の時代では珍しいことです。私たちの教会のビジョンの一つに「信仰生涯を全うする」というのがあります。若いとき信仰を持っても、いつしか教会に来なくなり、又、この世に埋没して、結局は救いに与れなかったという人も多くいます。しかし彼女は、最後まで信仰を持って、主のもとに帰られました。そこで今は、7年前に召された愛するご主人、「天国で待っているからね」と言って召されていったお母様にお会いしていることでしょう。彼女は与えられた92年の生涯を、信仰を持って全うしました。

 私は葬儀のたびごとに、私たちの死はそれで「一貫の終わり」ではなく、希望が有ることを思い感謝します。死を「感謝」と表現するのは不謹慎に聞こえるかもしれませんが、その理由は、死ぬべき身体の中に、既に、永遠の命である霊が生きていることを知っているからです。イエス様も十字架で、今日、死ぬという時、傍らで同じく死を直前にして信仰を告白した強盗に「あなたは今日、わたしと一緒にパラダイスにいるであろう」と希望のことばを語られました。強盗は希望を与えられ、感謝したことでしょう。これにより、私たち人間が朽つべき肉体と、永遠なる霊を持っていることが分かります。

肉体は良いものでも、悪いものでもない、中性の物質です。大事なのは、内なる霊です。人間は本来、神の霊を吹き込まれましたから、普通の言い方をすれば「善い霊」を持っています。しかし、サタンの誘惑に負けて、この霊を押し退け、悪しき霊と同居するようになりました。神に与えられた霊は仮死状態にあると言ってよいでしょう。また、命あるものには全て霊があります。つまり、獣の霊もあれば、植物の霊もあるのです。そして獣の霊を受け入れるということも起こるのです。昔から日本でも「狐付き」等という表現があります。霊力の強い人はこのような悪霊を追い出すことが出来ます。しかし、悪霊のほうが強ければ、かえってその霊に組み伏せられることも起こるのです。使徒言行録19章には「悪霊に取りつかれている男が、祈祷師たちに飛びかかって押さえつけ、ひどい目に遭わせた」ことが記されています。入ってきた霊であるから、又、追い出すことも出来るのです。

 今日の聖書の箇所は、イエス様が汚れた悪霊を追い出されたこと、病気で苦しんでいる者を癒されたことが書いてあります。イエス様が「黙れ。この人から出て行け」(:35)と言われると、悪霊は出て行きました。それを見た人々は「この言葉はいったい何だろう。権威と力をもって汚れた霊に命じると、出て行くとは。」と言って驚きました。イエス様の言葉には、何者でも従わざるを得ない権力があったのです。

 「権力」とは「他人を強制し、服従させる威力。人から承認と服従の義務を要求する精神的、道徳的、社会的または、法的威力」と広辞苑には記されています。専制君主の権威は、武力、または知力という「一人の力」によるものです。しかし民主主義の現代は、主権在民“権力は民のもの”です。それだけに社会が多様化し、何が正しく、何が誤りなのか判断し難くなっています。それゆえ又、強い指導力、権威を欲する人もいるわけです。でも、人間の権力は所詮、バベルの塔のように必ず壊れてしまいます。又、「人が見て自分で正しいとする道があり、その終わりはついに死にいたる道となるものがある。」(箴言16:25口語訳)とあるように、空しいものです。

 イエス様の言葉には全てのものが服従する権威がありました。それは、イエス様ご自身が「権威」そのものだったからです。ヨハネは「初めに言があった。言は神と共にあった。言は神であった。…万物は言によって成った。…言は肉となって、わたしたちの間に宿られた。」(ヨハネ福音書1:1314)とイエス様を、全てを創造された神であったと紹介しています。「光あれ」(創世記1:3)と言われると光があった。「生き物が水の中に群がれ。鳥は地の上、天の大空の表を飛べ。…地は、それぞれの生き物を生み出せ。家畜、這うもの、地の獣をそれぞれに生み出せ。」(1:2024)と、言葉が発せられるとそのようになった。イエス様は言であり、全てのものを創造された神の権威そのものだったのです。ですから、イエス様が「黙れ。この人から出て行け」(:35)と命ずると、悪霊はその人から出て行ったのです。又、「熱を叱りつけられると、熱は去った」(:39)のです。私たちはこの権威なるイエス様の言葉を預かっているのです。なんと恐れ多いことでしょう。又なんと幸いなことでしょう。

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