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礼拝説教要約(2016313日)

「命がけの告白」      聖書・マタイ福音書265768

 先週は、希望のかけらもない苦悩の中で、イエス様が、ただ、人間に対する愛のゆえに、神の怒りの杯を飲んだことを説きました。この愛こそ、すべてを照らし出す光であります。しかし、今日の聖書の箇所は、それとは全く対照的な、この世で最も暗く陰湿な謀が記されています。

 祭司長やイスラエルの指導者たちは、光のある公の場でイエス様を捕らえ、裁くことはしませんでした。それが彼らの心の暗さを表わしています。彼らはお金をもって、サタンに心を売ったユダを買収しました。そして、夜、秘かに裁判をするため準備をしました。大祭司カイアファの所には、律法学者たちや長老、祭司長たちと最高法院の全員が集められていました。「人々はイエスを捕らえると、大祭司カイアファのところへ連れて行った。そこには、律法学者たちや長老たちが集まっていた。…祭司長たちと最高法院の全員は、死刑にしようとしてイエスにとって不利な偽証を求めた。」(:2729) このような謀をした上で、イエス様を裏切ったユダに案内された群衆が、剣や棒を持って、イエス様を捕らえに来ました。この人々の中に祭司長や神殿守衛長、長老たちも居たことを、ルカは記しています。「それからイエスは、押し寄せてきた祭司長、神殿守衛長、長老たちに言われた。『まるで強盗にでも向かうように、剣や棒を持って来たのか。わたしは毎日神殿の境内で一緒にいたのに、あなたたちはわたしに手を下さなかった。だが、今はあなたたちの時で、闇が力を振るっている。』」(ルカ22:5253)

 そしてイエス様の裁判は真夜中に行なわれました。このようなことは前代未聞の事であり、決してありえない事であります。その上、何人もの偽証人が集められていたのです。しかし、証言は食い違い、証拠となりませんでした。最後の証言は、「この男は『神の神殿を打ち倒し、3日あれば建てることができる。』と言いました」(:61)との告発でした。「神殿を打ち壊すなどと、とんでもない罰当たりだ!」と群衆の怒りは強くなったことでしょう。それと共に「新たに神殿を3日で建てるなど、大法螺吹きだ!」と蔑みの雰囲気が、一気に広がったようです。イエス様が十字架に架けられている時、通りがかりの人たちもが「神殿を打ち倒し、3日で建てる者、神の子なら、自分を救ってみろ、そして十字架から下りて来い」(27:40)と揶揄して言ったことで分かります。

 しかしイエス様は「神殿を打ち壊す」と言ったのではないのです。「この神殿を壊してみよ。3日で建て直してみせる。」(ヨハネ2:19)と言われたのです。神殿は、罪が贖われ赦されるようにと動物を犠牲として捧げる所です。イエス様は、神殿と同じ贖いの働きをする自分の十字架の死を「神殿を壊すのと同じことだ」と言われたのです。つまり「私を殺してみよ。そうすれば、3日目に甦る」と預言されたのです。だからヨハネは「イエスの言われる神殿とは、御自分の体のことだったのである。」(2:21)と証ししています。

 でも闇の支配するこの真夜中の裁判の場では、預言の言葉を、信仰を持って聞く人などいませんでした。イエス様を信じてきたペトロでさえ、この場では「そんな人は知らない」と否定してしまうほど闇は深かったのです。そのことを知っておられるイエス様は、大祭司の問い掛けにも黙しておられました。そして「生ける神に誓って我々に答えよ。おまえは神の子、メシアなのか。」との大祭司の問いに、ついに口を開きました。「あなたの言うとおりである。しかし、わたしは言っておく。あなたがた、間もなく、人の子が力ある者の右に座し、天の雲に乗って来るのを見るであろう。」(:64口語訳)と宣言なさったのです。これはイエス様ご自身が、人の子としてこの世に来られた神の子・メシアであるとの告白です。それどころか更に、全能なる神の全権をもって、裁き主として再臨なさるとの告白なのです。

 この告白は、イエス様を「神の子・メシア」と信じない人々にとっては、神を冒涜する言葉としてしか受け取れませんでした。神を冒涜する者は、イスラエルにあっては死刑なのです。しかしイエス様は御自分の命を掛けて告白なさったのです。あなたはこのイエス様の告白をどのように聞きますか。闇の勢力と共に、イエス様を、神を冒涜した大ペテン師として死刑にしますか。それとも、お言葉のとおり、神の子・メシアと信じ受け入れますか。一時は闇に飲み込まれてしまった弟子たちも、イエス様の復活に接し、イエス様を救い主と告白しました。世々の聖徒たちも命を掛けてイエス様を神の子・救い主と告白してまいりました。どの時代でも、「あなたはイエスを誰と告白するか?」と問われるのです。

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