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礼拝説教要約(2017122日)

「わたしがあなたと共にいる」    聖書・士師記6118

 士師記の時代とはどんな時なのでしょう。出エジプトの指導者であったモーセの後を継いだヨシュアに導かれ、イスラエルの民が約束の地に入ってから、王国が出来るまでの約250年が士師記の時代です。この時代はイスラエル史上、最も暗黒の時代です。それは全部族をまとめて導く指導者がいなかったからです。また、「そのころ、イスラエルには王がなく、それぞれ自分の目に正いとすることを行っていた。」(士師記21:25)とあります。本来、イスラエルの王とは主なる神ご自身です。主はサムエルに「彼らの上にわたしが王として君臨することを退けているのだ。」(サムエル上8:7)と言われました。神を王としてその教えと導きに従わない民は、自分中心の欲望に走り、偶像礼拝に陥って行きました。偶像とは自分の欲望を満足させてくれる神を人間が造った物だからです。このような偶像により頼み、自分の欲望を追求する歩みは、神が選び出した「全人類の祝福の源」とはなりえません。それゆえ、神はイスラエルの民を、異邦人をして悩ませたのです。それは彼らを悔い改めに導き、もう一度、使命に立たせるためでした。

 士師記には4つのパターンがあります。①イスラエルの民が主の目に悪とされることを行なうと、②主は異邦人の略奪と支配を許し、試練にあわせられました。③彼らは苦しみの中で、罪を自覚し、悔い改めて主に助けを求めました。④すると、主は救助者を立ててくださり民を救うのです。この主によって立てられた救助者が士師です。しかし、士師が裁き司として生きている間は平穏であっても、士師が死ぬと又もや、民は①に陥ってしまいました。このようなパターンの下に12人の士師が立てられています。その6人は大士師と呼ばれ、救助者であると共に、裁き司でもありました。6人は小士師で、彼らは裁き司となることなく、外敵から民を救った勇士でありました。

 ギデオンは士師記に出てくる士師のうち5番目の士師で、大士師であります。「ギデオンの時代40年にわたって国は平穏であった。」(士師記8:28)とある通りです。ギデオンの時代、イスラエルを攻め、略奪したのはミディアン人でした。ギデオンは最も多くのページを割いて記されるような大士師として知られていますが、最初から勇士だったわけではありません。否、その逆で、「ギデオンは、ミディアン人に奪われるのを免れるため、酒ぶねの中で小麦を打っていた。」(:11)とあるように、ミディアン人を避け、身を潜めて仕事をしている、良く言えば慎重な人、悪く言えば臆病者だったのです。そのギデオンに主の御使いは現れ「勇者よ、主はあなたと共におられます。」(:12)と呼びかけたのです。ギデオンは臆病ではありましたが、自分の今なすべき働きに忠実でありました。そして、主の民である私たちに、なぜこのような苦難が振りかかるのかと、憂いを持っていました。そのようなギデオンに「あなたのその力をもって行くがよい。あなたはイスラエルを、ミディアン人の手から救い出すことができる。わたしがあなたを遣わすのではないか。」(:14)と御使いは言われました。

 主は小さく、弱い者でも用いることが出来ます。全能なる万軍の主にとっては、用いられる者に力が有るか無いかは関係ありません。大事なのはその心です。主は、どんなに有能で力が有っても、自分のために神を利用する者を用いることは出来ません。「どうすればイスラエルを救うことができましょう。わたしの一族はマナセの中で最も貧弱なのです。それにわたしは家族の中でいちばん年下の者です。」(:15)と貧弱で、一番下でも、人々のために、また、神のために自分を献げる者、つまり、自分の心の王座に主を迎えるものをお用いになるのです。そして、「わたしがあなたと共にいるから、あなたはミディアン人をあたかも一人の人を倒すように打ち倒すことができる。」(:16)と言われます。これはもはやギデオンの戦いではなく、主の戦いであります。

 ミディアン人、アマレク人、東方の諸民族が結束し135千人。それに対し、ギデオンの呼びかけに応じ、イスラエルの北方に嗣業の地を与えられた部族から集まったのは32千人でした。4分の1の人数にもかかわらず、主は「あなたの率いる民は多すぎる」(7:2)と言われ、更に「犬のように舌で水をなめる者、すなわち膝をついてかがんで水を飲む者」(:5)と、心に恐れのある者、不注意な者を帰しました。そして、民のために主と共に戦う勇気があり、注意深く油断しない者・300人を選び残しました。敵に対する450分の1です。

 彼らは主に信頼し、主の選んだギデオンと心を一つにした人々でした。彼らが「主のために、ギデオンのために」と叫ぶと、敵は同士討ちをし、敗走しました。このように信仰に立ち、「主が共にいる」状況は必ず勝利します。

 日本のクリスチャン人口は久しく、全人口の1%を越えることが出来ない状態です。しかし、ギデオンの精鋭たちは100倍どころか、450倍に勝利したのです。主に信頼し、心を一つにすることが勝利の秘訣であることを心に留めましょう。

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