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礼拝説教要約(2017528日)

「罪が戸口で待ち伏せている」    聖書・創世記4116

 人間は文明を築いてきました。文明は、人間が得た知恵で追求してきた幸福への道ともいえます。しかし、物質的豊かさや便利さは、幸福の一部ではあっても、人間関係によって、不幸と滅びをもたらすものでもあります。人間関係とは先ず、アダムとエバに見る夫婦関係であり、それに親子関係が加わってまいります。罪に対する裁きのゆえに、新しい生命の誕生さえも、苦しみと痛みを伴うものになりました。「神は女に向かって言われた。『お前のはらみの苦しみを大きなものにする。お前は苦しんで子を産む。』」(創世記3:16) でも子どもの誕生は人間の業ではなく神の業であるとエバも自覚しています。「彼女は身ごもってカインを産み、『わたしは主によって男子を得た』と言った。」(4:1) この「主によって」とは、神の赦し、救いを連想させます。それゆえ「カイン(手に入れる)」と名付けました。次いで、アベルも産まれました。このように人間関係は更に発展し、兄弟関係が加わりました。それにより問題も多様化し、罪が拡大して行くのを見て取れます。

 カインは農夫となり、アベルは羊を飼う者となりました。幸い彼らは未だ、神を礼拝することを忘れてはいませんでした。カインとアベルはそれぞれ献げ物を持って主のもとに来ました。「カインは土の実りを主のもとに献げ物として持って来た。アベルは羊の群れの中から肥えた初子を持って来た。」(:3~4) しかし、「主はアベルとその献げ物に目を留められたが、カインとその献げ物には目を留められなかった。カインは激しく怒って顔を伏せた。」(:4~5) なぜこのような扱いの違いが出たのでしょう。それは、アベルが心からの感謝をもって神に近づいたことは、「肥えた初子」という献げ物をしたことからも明らかです。しかし、カインはなおざりに、形式的に「そういう決まりだから」しかたなく献げ物をしたことがうかがわれます。新約聖書はこのことを「信仰によって、アベルはカインより優れたいけにえを神に献げ、その信仰によって、正しい者であると証明されました。神が彼の献げ物を認められたからです。」(ヘブライ人への手紙11:4)と解説しています。神を礼拝する信仰に違いがあったのです。人の目には同じに見えても、神の見方は違います。神は外形を見るお方ではなく、内なる心を見られるお方です。だから、どのような心で礼拝するかが大事です。「惜しんでわずかしか種を蒔かない者は、刈り入れもわずかで、惜しまず豊かに蒔く人は、刈り入れも豊かなのです。各自、不承不承ではなく、強制されてでもなく、こうしようと心に決めたとおりにしなさい。喜んで与える人を神は愛してくださるからです。神は、あなたがたがいつもすべての点ですべてのものに十分で、あらゆる善い業に満ちあふれるように、あらゆる恵みをあなたがたに満ちあふれさせることがおできになります。」(Ⅱコリント9:6~8)という御言葉を心に留めたいと思います。主は喜んで献げる者を、恵みで満ちあふれさせることの出来るお方です。

 カインは自分が低く評価されたことを怒り、アベルにその責任があると、憎み妬みました。人にとって、苦しみ、悲しみ、試練による心の怒りが自分の内に向かえば、気がめいり、鬱状態になります。でもこの方向性は間違っていません。この問題を自分の力で解決しようとするところに間違いがあります。ここに神が共におれば、悔い改めとなり豊かな恵みへと導かれるのです。今秋の特別集会に講師としておいでくださる藤井圭子師は、試練に合うたびに、それが更に豊かな恵みとなり、1冊の証の本となっています。

 神がカインの献げ物に目を留められなかったのは、不満や怒りからではなく、カインに自分の内なる心を見させるためでした。しかしカインは、嫉妬と憎しみを外へ、アベルへと向けました。そして、アベルを殺してしまったのです。カインは不満と怒りに震えつつ頭を垂れ、更に罪を重ねました。神は言われます。「あなたは、自分が不当に扱われたかのように怒っているが、本当に正しいと思うなら、顔を上げなさい。なぜ顔を伏せているのか。それだと、罪に完全に捕まってしまうよ。」(:6~7私訳)と。顔を神に向けないなら、「欲望ははらんで罪を生み、罪が熟して死を生みます。」(ヤコブ1:15) 神に顔を向けない罪は、増幅されてゆくのです。それを聖書は「罪は戸口で待ち伏せており」(:7)と言います。単なる衝動として罪を犯す(過失)というのではなく、計画し、待ち構え罪を犯す(故意)ようになる。カインはそうならないように罪を支配しなければなりません。しかし、神から離れたカインは、かえって罪に支配されてしまいました。

カイン(人間)は罪の力に自分の力では勝つことができません。神に顔を向け、近づいて祈ることこそ、罪に勝利する秘訣なのです。

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